【シンガポール=花田吉雄】キューバのグアンタナモ米軍基地の収容所で、米兵らがイスラム教の聖典コーランを冒とくしたとされる問題で、非難の声はイスラム教徒を多数抱える東南アジア諸国からも噴出している。イスラム教徒による抗議行動も飛び火し、波紋が広がっている。
マレーシアのアブドラ首相は14日、「イスラム教徒を侮辱した今回の出来事に心を痛めている」と表明。背景には、イスラム教徒が経済的に弱い立場に置かれている現状があると指摘し、「イスラム教徒が(立場的に)強ければ、誰も我々を侵害することはできない」と述べ、結束を呼びかけた。
一方、現地からの報道によるとインドネシアの南スラウェシ州マカッサルでは13日、イスラム教徒約50人がホテルの前に集まり、宿泊している米国人を引き渡すよう要求した。ジャカルタでも抗議行動が起き、不穏な動きも伝えられる。
騒ぎの発端は、米誌ニューズウィークが、グアンタナモ基地でイスラム教徒の被拘束者の平静を失わせるため取調官がコーランをトイレに流したりしているとした記事。アフガニスタンとパキスタンで抗議行動に火が付き、パキスタンでは少なくとも2か所の米領事館が閉鎖に追い込まれた。米政府は調査を約束したが、インドネシア外務省報道官は、「卑劣で非道徳的な行為。遺憾であり、到底容認できない」と激しく非難している。
(2005/5/16/01:29 読売新聞 無断転載禁止)